日本人の「集合的無意識の強さ」
さて、話は変わりますが、日本について海外の方々が驚くことがいくつかあります。
まず一つは、大きな災害が起こった時、その被災地で略奪や盗みが起きないことです。確かに、日本では被災地で物資が無い中でもコンビニなどで人々がちゃんと並んで入店を待つ光景が当たり前のように報道されていたりしますが、これは海外の方々にとっては信じられないことの一つだそうです。
フォローワーが1330万人(2024年4月現在)いる世界的に人気のユーチューバーであるナス デイリー(Nas Daily)が日本を紹介している動画があるのですが、ここでも「日本では1200ドルのバックを道に置いておいても誰も盗まない。自転車や携帯電話、現金を放置していても誰も盗まない。本当に安全!」と言っています。
あと、「日本では自動販売機がいろんなところに置いてあるが、日本以外の国だったら、壊されて中身とお金を持ってかれる」とよく海外の方々から言われます。
日本の治安の良さを世界の人々は称賛してやみませんが、我々にとっては至極当然のことですよね。凄く頑張って安全をキープしているわけではありません。日本という国自体が、こういう性格を持っているのです。
このことと、シャービンのワークショップで「一体感を感じた」と言い続ける欧米人の感覚。
そこに私は日本人の特異性を感じたのです。それは日本人の「集合的無意識の強さ」です。
我々日本人は「コミュニティー意識がとても強い」と言い換えたら分かりやすいかもしれませんね。
因みに「集合的無意識」とはユングが唱えたもので「人の行動を支配することの多い無意識の力のうち、本能的傾向ならびに祖先の経験した行動様式や考え方が遺伝的に受継がれてきたものをさす。個人的な経験が抑圧されたものを個人的無意識というのに対して、普遍的・超個人的な無意識といえる。」(ブリタニカ国際百科事典より)
私はこれを集団の「雰囲気」や「キャラクター」を作りだすものと思っています。