力士たちの前向きなオーラで気持ちが急上昇

柵の回りの観客の集まり方で力士の人気度が分かる。サインをしてもらいたいし、写真も撮りたいからだ。取組を終えた熱海富士はニコニコ顔でサインをしていたが、テレビは平面、実物は立体だから、笑顔にも迫力があった。私が取組を終えた阿炎にスケッチブックとサインペンを差し出したら、「オッ」と気合いの声を出してサインをしてくれ、次の人にもその次の人にも「オッ」「オッ」と言いながらサインをしていた。気合いを入れてサインをする珍しい力士だと思った。

また、ドドッと柵のところに観客が集まった。三役揃い踏みをするために琴ノ若と照ノ富士が並んで登場したのだ。番付が上がるほどに力士は体ができて肌の色艶も良くなるのだと、私は学生時代に警備が厳しくなかった蔵前国技館内をウロウロして力士を見て学んだ。照ノ富士には貫禄のオーラがあり、琴ノ若は華やかなオーラがある。琴ノ若は琴櫻と四股名を変えるが、横綱になって土俵入りを見せてほしい。

これから三役揃い踏みをする琴ノ若と後ろはサインをしている照ノ富士(写真提供:著者)

体を鍛えている力士たちの前向きなオーラをあびて、落ち込んだ気持ちが急上昇した。「とりあえず、明日まで生きてみよう」。さださんと番組にハガキを送った人に感謝した。