写真を拡大 パシフィックシーネトルを印象派的に撮影(C)2015〜2024 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

第1回 コンセプト(ステートメント)はこちら

日本のイルカショー発祥の地

相模湾に面した新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)は、その美しい環境とともに豊かな歴史を誇る。

当館は2024年に20周年を迎えたが、初代「えのすい」は、1952年に開館した、日本で最初のイルカショーやクラゲの常設展示を始めた場所でもある。

著者が昨年の秋に当館を訪れた日には、大勢の小学生のにぎやかな声がホールに響き、活気に満ちていた。その元気な姿と、動物たちへ対する反応も見ていて楽しかった。

例えば、「イルカショースタジアム」では赤い帽子が相模湾をバックに、びっしりとスタンドを埋め尽くしたり、水槽の前で飼育員の解説を熱心に聞いたり。

写真を拡大 幻想的な「クラゲファンタジーホール」(C)2015〜2024 George Nobechi