入居を決めたもう一つの理由は、食事のことです。
軽井沢にいる時は、ほぼ自炊をしています。私は小皿にちょこちょこおかずを盛りつけて並べるのが好きです。
朝は、豆皿に盛った8、9品のおかずと、ご飯と味噌汁。豆皿にはひじきや切り干し大根、海藻の和えものなどの常備菜や、野菜の煮ものなどを少しずつ入れます。昼は主に麺類。夜は酒肴を何品か用意して、軽く晩酌。1日3回料理して、食べて、後片付けするのって、けっこう忙しいものです。
最近、それが面倒になりはじめました。自分の味にも飽きてしまって。食器を洗うのも、どうしようもなく嫌になったりします。そんなことは今までなかった……。年齢のせいかもしれませんね。
一方、東京の事務所にいる間はというと、部屋にキッチンはあるものの、小さくて食事を作る気にならない。すると、どうしても外食や出来合いのものが多くなって、栄養が偏ってしまいます。
その点、シニアハウスでは、施設内のレストランに行けば、リーズナブルなお値段で高齢者の健康に配慮した、バランスのいい食事ができます。ここで食べれば健康にもよさそうです。
シニアハウスにはご夫婦で入居なさっている方もいます。妻は入居に積極的でしたが、夫のほうは渋々、というケースも少なくないようです。でも妻にしてみれば、80代半ばにもなって夫のために1日3回料理をするのはしんどいですよね(笑)。
ここならば、部屋にもキッチンが付いているので自分で作ることもできるし、レストランでも食べられる。選択肢があるだけでも気持ちが全然違います。
私はシニアハウスでは自炊はせず、もっぱらレストランを利用しています。とはいえ、ずっとレストランの味だと飽きてしまうのも事実です。だから、週の半分は東京、もう半分は軽井沢。目下、いいペースで生活できています。