原因の究明が大切
また、最初の図にある飛行機の両翼についても触れておきましょう。
左右両側の内耳が障害を受けると、フワフワめまいが引き起こされることがあります。
今から100年以上前、1920年代初頭、ある人の両耳の神経を切ったところ、慢性的な浮動性めまいが起こったという研究報告(Dandy 1921)があります。つまり、それくらい昔から、一部の研究者にはこのことは知られていました。
現代では、梅毒や結核の治療薬である「ストレプトマイシン」や「カナマイシン」、心内膜炎などの治療薬である「アミカシン」や「ゲンタマイシン」などを服用した人が、薬害で両側の内耳に障害をきたします。ただし、これは、めったに見られない稀(まれ)なケースです。
また、フワフワめまいは、うつなどの心因性の原因によって起こることもあります。
このように多くの原因・誘因によってめまいが起こる可能性があるため、検査・診断において、きちんと真の原因を突き止めておく手順が欠かせないのです。
※本稿は、『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(著:坂田英明・神崎晶/徳間書店)
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