朝廷の意思とはつまり<天皇の意思>
まず、もっとも重要なことですが、朝廷の意思とは、朝廷のトップに立つ<天皇の意思>に他なりません。
では天皇はどのようなときに意思を表明するのかというと…。
自発ではなく、受け身。
自ら社会の問題点を探すことはせず、誰かが天皇の判断を求めたときにのみ、それに応えるかたちで決定を下すのです。
天皇の意思は、側近くに仕える<蔵人>へ伝達されます。
蔵人は蔵人所を形成する実務官。2人の蔵人頭がリーダーで、部下には五位の蔵人や六位の蔵人などがいます。政務に携わるのは、蔵人頭と五位の蔵人です。
かれらは天皇の意思を<上卿>に伝えます。
上卿は「しょうけい」と読む。大臣、大納言、中納言、参議から成る上級貴族のうち、1人がその一件を担当して、上卿を務めます。大臣、大納言、中納言、参議は全部で30名とか40名の規模です。現在の大臣にあたるとイメージして下さい。