蔵人と弁官は「実務にあたる貴族」

さて、先ほど述べた蔵人のうち、五位の蔵人は、経験を積むと弁官に昇進します。

弁官は左と右、大中少があり、定員各1。一番上位が左大弁。下位が右少弁。予備がひとり設けられましたので、全部で7人。このうち、中弁か大弁の有能な者は、蔵人頭になります。

ですから、蔵人と弁官は「実務にあたる貴族」として一括りにすることができますね。ぼくは彼らを「中級実務貴族」と呼んでいます。

これに対して上卿になる人たちは、既に述べたように重要な会議に出席して議論をする「上級貴族」です。

彼らは現在の閣僚たち、と形容しましたが、要するに政治家です。それから、官宣旨の作成に携わる史や外記ですが、彼らは貴族ではあるのですが、官位は六位止まり。五位には昇進できません。それで、官僚のような役割を果たす彼らを、ぼくは「下級官人」と呼んでいます。