大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第十九話は「放たれた矢」。道長(柄本佑さん)が右大臣に任命され公卿の頂点に。これを境に先を越された伊周(三浦翔平さん)との軋れきが高まって――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「関白」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
関白をめぐって
ドラマ内にて道隆・道兼兄弟が疫病で相次いで死んだことで、空いた関白の職。
いろいろあって、一条天皇は道長に関白の職を与えることを決意しましたが、道長側が「関白になると自由に動けなくなる」と断ってしまいました。
ききょうからは「人気も無い上、権勢欲もなさそうだし、道長様が関白になるのは無理」とまで言われる始末ですが、はたして…
そうしたドラマの展開を踏まえて今回は、そもそも関白とはどういうもので、朝廷において、どのように意思の決定が行われるかについて、説明しましょう。