最低限知っていて欲しいエチケット
まず、アフタヌーンティーをいただく時の決まり事はマナーと言わずエチケットと言います。それはイギリス英国では「manner」は「方法・やり方」という意味で「etiquette」が「作法」を意味するからです。
その1●アフタヌーンティーはコース料理
アフタヌーンティーは実はコース料理と同じ。
頂く順番がとても大切です。
3段スタンドには通常、下からセイボリー(塩気のあるもの。例えばサンドイッチ)・スコーンズ・ペストリー類(タルトやケーキなど)の順で載せられています。
頂く順番は(1)セイボリー(サンドイッチなど)(2)スコーンズ(3)ペストリー類(ケーキ類)となります。
逆戻りはできません。ロンドンのドーチェスターホテルなどでは最初に大皿でサンドイッチを席まで持ってこられ好きなだけお皿にとり、終わった頃にスコーンズが運ばれます。
そして最後にペストリー類が運ばれてきます。
糖度を少しづつ上げていくので食事の仕方として理に叶っています。
その2●ティーフーズは手でつまむもの
アフタヌーンティー用のナイフとフォークがテーブルセッティングされていますが、ティーフーズは手でつまめるものが用意されますので手でつまんで、3段スタンドからお皿へ移していただいて全く問題ありません。
その3●スコーンは横に手で割る
スコーンのルーツはスコットランドのバースにある「スコーン城」の戴冠式に使用された椅子の土台の石と言われていて、その石が割れるときは国も滅ぶとい割れています。
ですからナイフは使わず縦に割らず手で横に割るのがエチケットとされています。
その4●クロテッドクリームとジャムの塗り方
横に二つに割ったら、クロテッドクリームとジャムをトーストをいただく時のようにベッタリと塗っていただきたいところですがそれはエチケット違反です。
一口分づつ、クロテッドクリームとジャムを塗り、いただく、またクロテッドクリームとジャムを塗って一口いただく…を繰り返してださい。
ちなみにクロテッドクリーム(clotted crem)をクロテッドとは言わないようにしましょう。
イギリス人は「clotted」というと凝固血をイメージするそうです。
またクロテッドクリームとジャムをどちらを先に塗るかですが、クロテッドクリームを先に塗るのがデボンシャー風で、ジャムを先に塗るのがコーンウォール風です。
ちなみに亡くなられたエリザベス女王はコーンウォール風の召し上がり方をされていたそうです。
(デボンシャーとコーンウォールは州の名前です。)
その5●最後にペストリー類
そろそろお腹がいっぱいになってきた頃かもしれません。
しかしホテルのパティシエールの渾身のスイーツを頂かない訳にはいきませんね。
ロンドンのホテルでは食べきれなかったペストリー類を可愛いボックスに入れてお土産にしてくれます。
(日本は衛生上対応していないところがほとんどです。)
ところで、先ほども書きましたが、いくら甘いものを頂いて塩辛いものが欲しくなったからと言って残っているサンドイッチに手を出してはいけません!
繰り返しですが、アフタヌーンティーはコース料理なのですから。