2019年11月26日号

[特集]
教えて! 寂聴さん 悔いなく生きるコツ

年齢を重ねるなかで、幸せを感じるためには。悩みや迷いがあっても、前を向くための心のありかたは。作家として僧侶として切に生きる瀬戸内寂聴さんの姿に、そのヒントを探しました
 

●注目記事●

〈何歳になっても新しいことは始められる〉
この世に一人の自分を
自分が認めてあげなければ

瀬戸内寂聴×瀬尾まなほ

97歳のいまも多くの連載を抱え、毎月法話の会を催すなど精力的に活動を続けている瀬戸内寂聴さん。現在、瀬尾まなほさんが秘書として仕事のサポートをしています。66歳年上の作家から瀬尾さんが学んだこととは──

私なんかにできません

瀬尾 私が寂庵に就職してから、早いもので8年半が経ちました。2011年に大学を卒業してすぐに働き始めましたが、最初は瀬戸内寂聴が作家だということも知らなくて。

瀬戸内 私が出家する前から常連だった「みの屋」という祇園のお茶屋の女将に、誰かうちで働いてくれる若い子はいないかと相談したのですよ。それで送られてきたのがあなたです。これまでたくさんの人がここで働いてくれましたが、あなたみたいに変わっていて面白い子はいなかった。何しろ小説はほとんど読んでいなくて、『細雪』を「ほそいゆき」と読むし(笑)。でも、なにか魅力があったから、「来月からおいで」と言ったの。まなほのおかげでずいぶんと面白い毎日を送ってきたわね。

瀬尾 当時、5人のベテランスタッフの方たちがいて、お茶の出し方や掃除の仕方など丁寧に教えていただきました。

瀬戸内 あなたは本当に成長したわよ。

瀬尾 こちらに来た頃、自分は何の取り柄もない人間だと思っていましたし、まったく自信がありませんでした。それは、大学時代に就職活動でつまずいたことが原因です。私には具体的な将来の夢がなく、何となく「京都の家から通えるところがいい」「営業は無理だから事務職」としか考えていなくて。だからまったくうまくいかず、面接に落ち続けるうちにすっかり自信喪失してしまいました。

瀬戸内 寂庵でほかのスタッフがやっている仕事を、ためしにあなたもやってごらんと言っても、「私なんかにできません」としょっちゅう断っていて。

瀬尾 ある時先生にぴしゃりと叱られました。「“私なんか”と言う子は寂庵には要りません。この世の中でたった一人の貴重な存在である自分に失礼でしょう。そんなことを言うなら、寂庵を辞めなさい」と。自分を粗末に扱った私を本気で怒ってくれたことが嬉しくて、涙があふれそうでした。

瀬戸内 自分で自分を認めてあげなければ、他人にも認めてもらえませんよ。人間ってね、みんな素晴らしいのです。たとえば色黒を気にする人がいるけれど、色白がいいなんていうのはその時の流行ですから、そんなものに左右される必要はない。外見だけでなく、自分の中にあるチャーミングな部分を見つけて、「ここはなかなかいい」と思うことができたら、少しずつ人生が開けていくと思います。(一部抜粋)


他にも、どんぐりさんのインタビュー「OL、裁判所勤務、芸人を経てーーまさか女優になるなんて」、海原純子さんのノウハウ「心のトレーニングで、 きっぱり「NO」を言える人になる!」、安治川竜児さんのインタビュー「安美錦として22年半相撲を取れたのは、ケガのおかげと感謝して」などが掲載されています!

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[第二特集]
得する! キャッシュレス入門

いま、世の中で「キャッシュレス」という言葉が躍っています。「クレジットカード」「電子マネー」「コード決済」……、いったいどれがキャッシュレスなの? 数が多くて意味がわからない! と感じたならば、この超入門篇が最適です。基礎の基礎から一緒に理解していきましょう

●注目記事●

 

〈QRコード、○○ペイが怖いあなたへ〉
いちばん簡単な「電子マネー&コード決済」教えます
岩田昭男

キャッシュレス決済で買い物をすれば得すると聞くけれど、現金主義者には何が得なのかチンプンカンプン。スマホの操作も自信がない、と諦めてしまっていませんか。要点さえ押さえれば、意外と簡単に快適な暮らしを実現できるのです

還元対象の決済方法は大きく3種類

主婦の方々にキャッシュレス決済の印象を聞くと、「なんだか難しそう」といった声が返ってきます。でも、実はすでにみなさんの生活に馴染んでいるものも多くあるのです。

おさらいすると、「キャッシュレス・ポイント還元事業」は2019年10月1日から9ヵ月間(20年6月末まで)、キャッシュレスで買い物をした際に、国(以下、還元事業)がポイントを還元するというもの。最近、店の入り口に「CASHLESS」のマークが入った赤いステッカーが貼られているのを見かけますね。これがポイント還元対象店舗の目印。ネット通販でも、還元事業に登録していれば還元されます。

ポイント還元率は店の規模によって異なり、中小小売店は5%、コンビニやガソリンスタンドなどのフランチャイズチェーン店は2%。大手スーパーマーケットや家電量販店は対象外となっています。

「キャッシュレス決済」とは、簡単に言えば、「現金を使用しない」支払い方法。みなさんにも馴染み深い「クレジットカード」もそうですし、銀行口座から即時引き落とされる「デビットカード」や、事前にお金をチャージする「プリペイドカード」タイプのものもあります。

また数年前から増えているのが「電子マネー」。専用の機械にカードをかざして支払うものです。みなさんも1枚はお持ちではないでしょうか。SuicaやWAON、nanaco、楽天Edyなどは、すべて電子マネーです。さらに、スマートフォン(以下、スマホ)の専用アプリを介して買い物ができる「QRコード・バーコード決済」(以下、コード決済)も登場しました。これらはすべて、還元事業の対象です。

(一部抜粋)


他にも、 すずきじゅんこさんの体験コミックエッセイ「使わないと損? 便利? 結局どうなの!?」、ルポ「密着 主婦が燃える「ポイ活」の魅力とは」が掲載されています!

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[読みもの]

 

〈本誌独占! 初の夫婦対談〉
ノーベル賞受賞を伝える電話に、 妻は「ええっ、まさか」
吉野彰×吉野久美子

今年のノーベル化学賞受賞が決まった吉野彰さん。勤務先で知らせを受け、自宅で待つ妻の久美子さんに電話をしたのですが──

吉野久美子さん(以下妻) 受賞の知らせがあった10月9日、自宅にも会社の広報の方が来てくれていて、一緒に待っていたんです。その広報の方の携帯に電話があって知りました。でも、途中で電話を代わってもらったけれど、ざわざわしていて何を言っているのかわからなかったわよ。あなた、私に肝心なこと言った?

吉野彰さん(以下夫) 言った、言った。「決まったから」とひとこと。

 信じられなくて。まさか、というか、ええっ本当かねえ……と思いましたけど。

 最初にノーベル賞の可能性を知ったのは2000年だね。ハワイでの学会に参加した帰り、ある先生から声をかけられて……。ノーベル賞に誰かを推薦するよう書類が来ている、ぜひ推したいから帰国したらすぐ資料を送るようにと言われた。

 それを聞いた時も、「うそでしょう?」と思ったけど。(笑)

 その頃から私が研究開発にかかわったリチウムイオン電池が本格的に広がり、大きなマーケットになっていったから。ストックホルムのまな板の端っこにちょこっと載ったわけだ。
(一部抜粋)

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他にも、

〈現地レポート〉
大型台風19号が 私たちの暮らしを壊した
 福島発・浸水した自宅/武 香織
 神奈川発・タワマンの脆弱さ/丸山あかね

〈怖くて逃げてきた舞台に初挑戦〉
自分のセリフにこれからの人生を問われて
神木隆之介

〈釧路に生まれ、なぜか好みも一致して〉
「生きづらい時代」なんてない。自分の居場所は自分で作る
カルーセル麻紀× 桜木紫乃

清水ミチコの三人寄れば無礼講
ゲスト 菊池桃子&南果 歩

[カラーグラビア]

〈氷上に舞う! Men’s figure skating 2019-20〉
宇野昌磨/山本草太
撮影・文◎田中宣明

〈宝塚 すみれ色の未来へ・特別篇〉
退団記者会見&パレード
男役の夢とロマン最後の日まで
明日海りお

[特別付録]
日々の心の支えになる 瀬戸内寂聴 金言シール

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

 

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