早めに薬を使うことで、健康寿命は延ばせる

ですから、健康診断などの結果を受けて医師から薬による治療をすすめられた場合、敬遠することなく素直に開始したほうが望ましいというのが最近の考え方になっています。

そもそも、そこまで尿酸値が高くなってしまうのは、なかなか生活習慣を改善できないタイプだからというケースが多い。

そのため、早い段階で薬を使ってライフスタイルを変えずに尿酸値をコントロールしたほうがよい人はたくさんいます。

そうした薬をうまく使うことが、痛風や結石などの高尿酸血症関連の病気に加え、心臓疾患からも体を守り、持病はあっても健康寿命を延ばすことにつながるのです。

尿酸値の基準範囲と要注意、異常
◎基準範囲 2.1 ~ 7.0mg/dL
▲要注意 2.0mg/dL 以下、7.1 ~ 8.9mg/dL
●異常 9.0mg/dL 以上

※血液検査による基準範囲。
出典:公益社団法人日本人間ドック学会ウエブ「検査表の見方」

※本稿は、『60代、70代なら知っておく 血管と心臓を守る日常』(講談社ビーシー)の一部を再編集したものです。

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60代、70代なら知っておく 血管と心臓を守る日常』(著:天野篤/講談社ビーシー)

60代、70代は、病気とともに生きている。だから、通院、投薬が合って当たり前。

問題はそんな日々のなかで、不本意に死ぬのか、天寿をまっとうするのか――。

上皇陛下の執刀医にして、世界屈指の心臓血管外科医がわかりやすく記した「命を落とすリスクを減らす」暮らしの処方箋。