プリン体を控える食生活が難しければ、生成を抑える薬を服用する

日本人の男性は、戦後のライフスタイルの変化などが要因となり、基本的に高尿酸血症に傾いている人が多く見られます。

実際、日本では痛風患者が約100万人、また“隠れ痛風予備群”ともいわれる無症候性高尿酸血症は、500万人はいると推計されています。

(写真提供:Photo AC)

痛風や結石といった高尿酸血症による疾患はもちろん、心臓を守る意味でも、尿酸値をしっかりコントロールすることは大切です。

尿酸値を下げるには、プリン体が多く含まれる肉や魚介類、アルコール類の摂取を控えるなどの生活習慣の改善が重要ですが、それが難しい人は薬による治療を検討したほうがいいかもしれません。

尿酸値を下げる薬には、尿酸の生成を抑える「尿酸生成抑制薬」と、尿酸の排泄を促す「尿酸排泄促進薬」の2つのタイプがあります。これらは古くから使われているため、作用機序や副作用についてしっかり把握されていて、効果と安全性が確保されています。

また、尿酸生成抑制薬は尿酸値を下げるだけでなく、老化防止に関与しているのではないかともいわれていますし、心筋保護の作用があって慢性心不全の進行を遅くするという副次的な効果も指摘されています。

ほかにも抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)と一緒に使ったとき、少量の抗血小板薬でも血小板凝集能の抑制が高くなるという報告もあります。

このように、尿酸値を下げる薬は、心臓に対してもプラスに働いていると経験的に考えられているのです。