人間の数だけ普通、欲望、幸せがある
恋愛や性愛がわからないと言うと、ネットでは絶対に「モテないやつの言い訳だ」とか「まだ出会っていけないだけだ」とか言われて口を塞がれる。自分の幸せだと思うことは他の人にとっても幸せなことだと信じて疑わなかったり、普通からはみ出る人を可哀想だとか、損しているだとか言ってしまう人は、あまりに視野が狭すぎる。そして発想が貧相だと思う。
人が幸せだと感じることが、ほかの人にとっては存在を根底から揺るがすほど、不快で恐怖を感じるものだったりする。
私だって、普通になりたかった。
普通に誰かを好きになれて、誰かに好意を向けられたときに気持ち悪くならなくて、好きな人に性的な目で見られても恐怖を覚えなくて、好きな人とは性行為をするものだということに疑問を抱かず、恋愛結婚をして、子どもを産んで。
そうすれば、普通は手に入るんだろか。
何度か普通になろうと挑戦してみたものの、気持ち悪くなって、何を食べても吐きそうになり、無気力になり、部屋が荒れ、完全にメンタルのバランスを崩してしまった。
改めて思う。人間の数だけ普通があり、欲望があり、幸せがある。世間のいう普通に乗れない人は、惨めでも、不完全でも、何かが欠落しているわけでもない。
私は、ひとりの意思のある人間だ。私の幸せは、世の中が言う普通を叶えた先にあるものではない。私は何があれば幸せだと感じられるのか。それをこれからも探していく。