供給する「人」自体に価値がある

まず、フェイス・トゥ・フェイスが前提である小さなビジネスには、とくにそこに「身体性」が伴っているとなお、AIやロボットに代替される可能性は低くなります。

たとえば美容師やマッサージ師の仕事を、AIを搭載したロボットに代替させること自体は可能でしょうが、では顧客は、著しくコストが安くなっているならまだしも、似たような価格ではたして進んでAIやロボットに施術されることを好むでしょうか。

『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』(著:川村秀憲/アスコム)

最初くらいは物珍しいかもしれませんが、やはり人に戻ってくるのではないかと思います。

この背景を考えてみると、結局、小さなビジネスや身体性の強いサービスは、供給してくれる「人」自体にも大きな価値があるからなのではないかと思います。

美容師さんに髪型を相談しながらカットしてもらったり、パーマをかけてもらったりすることには、それ自体に魅力や満足感があります。

一方であれこれ話しかけられるのがいやで、無言で切られたい人にはいわゆる「1000円カット」などの業態があり、これは場合によっては将来ロボットになるのかもしれません。