アフター更年期には目の不調も…(写真はイメージ/写真提供:photo AC)
高齢者や女性の健康をサポートする外来で日々診療を行う宮尾益理子先生は、「更年期以降は、それまで守ってくれていた女性ホルモンがなくなるので、意識して自分の体を管理してほしい」と話します。どんな不調が表れ、どう対処すべきかを聞きました(構成=山田真理  イラスト=こやまもえ)

アフター更年期の不調と対処法<1~7>はこちら

《不調8》膝痛

【概要】
関節を支える筋肉が弱くなると、関節のトラブルが起きやすくなります。

関節液の減少や、長年の使用、体重の影響で軟骨がすり減ることなどがおもな原因です。

 

【対策】
痛みが強い時は運動などを控え安静に。貼り薬や塗り薬、消炎鎮痛剤で痛みを抑え、入浴などで体を温めるのもおすすめです。

膝や腰への負担を減らすため、体重コントロールやプールでの運動も有効。

痛みが続く場合は、早めに整形外科で画像検査を受け、薬物療法や理学療法などの治療を受けましょう。手術が必要な場合もあります。

 

《不調9》手指の痛み・しびれ・こわばり

【概要】
アフター更年期には、手指の関節症も増えてきます。

関節の軟骨の摩耗、隙間が狭くなる、骨の変形などが原因で、指を動かす、握るなどの日常生活に支障が出ることも。

使いすぎ、加齢、女性ホルモンの減少が関係すると考えられています。

 

【対策】
整形外科を受診して相談を。血液検査や画像検査を受け、患部の固定、痛み止めの薬や注射、理学療法などの治療を受けましょう。

起床時に特につらい、両手など複数関節に症状がある、といった場合は関節リウマチの可能性もありますが発症頻度は高くありません。

痛みの確認のために繰り返し刺激するのはやめること。ばね指などで手術が必要な場合もあります。