見えない攻撃に苦しみ続ける人たち

パワハラやいじめなどの「目に見えるわかりやすい攻撃」と、間接的な嫌がらせなどの「目には見えないわかりにくい攻撃」では、後者のほうが対処しづらい傾向があり、困っている方も多いのではないでしょうか。

目に見えるわかりやすい攻撃や、法律に反するものに関しては、対処方法がある程度存在します。

しかし、見えにくくわかりにくい攻撃は、攻撃かどうかもわからない曖昧な行為、言動が多く、どう対処していいかわからないものも多々あります。

そして、現実的に加害行為に遭っているのにもかかわらず、自分の思い違いではないか、相手に責められたら怖い、自分が飲み込んで黙っているほうがいい、そのようなことをされる自分が何か悪いのかもしれないと罪悪感を抱えたりもします。

また、「波風を立てずにいたらその場が収まり平穏を保てる」という考え方も強いです。私が接する人々の中にも、「自分さえ我慢していたら平穏で安全なんだ」という一時的な平和を保つために、自分の心を殺していく人も多数存在します。

一時的な平穏を保つために自分の心や気持ちを抑えて我慢していると、心が疲弊し、やがて麻痺してしまい、気力も奪われ、心を病んでいくことになるので注意が必要です。

見えにくくわかりにくい「ずるい攻撃」に悩み苦しむ人たちに必要なことは、ずるい攻撃をする人たちの心理を知ること。そして、攻撃する人たちの言動を俯瞰して客観視できるようになることです。

そして、相手の攻撃に圧倒されてのまれてしまうのではなく、冷静に分析判断して、攻撃から抜け出すための知識を身につけ、対処できるようになりましょう。

 

※本稿は、『既読スルー、被害者ポジション、罪悪感で支配 「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)の一部を再編集したものです。


既読スルー、被害者ポジション、罪悪感で支配 「ずるい攻撃」をする人たち』(著:大鶴和江/青春出版社)

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