大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第23話は「雪の舞うころ」。「朱(浩歌さん)は三国(安井順平さん)を殺していない」と日本語で主張する周明(松下洸平さん)に驚くまひろと為時(岸谷五朗さん)。周明が連れてきた下人が脅されていたことを証言し――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「可能性」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
すれ違うまひろと道長
前回、東三条院詮子(吉田羊さん)と道長が立ち話をするシーンがありました。
一条天皇と中宮定子の関係について、詮子が「あんなに激しく求めあうふたりの気持ちが私にはわからない」と言うと、道長は「私には妻がふたりおりますが、心は違う女を求めています」と反応。この道長の発言を受けて、ネットはかなりの盛り上がりを見せていました。
しかし越前にいる「違う女」まひろのもとには、父・為時の友人で佐々木蔵之介さん演じる宣孝が。「都に戻って来い。わしの妻になれ」と宣孝がプロポーズしたところで、幕を閉じました。
すれ違う道長とまひろの関係はこの先どうなるのか、一視聴者として楽しみに感じる一方、そもそもながら、現実としてこの恋愛に成就するチャンスがどれほどあったのか。今回はそれを考えてみたいと思います。