私が小学唱歌を歌い続けてきた理由
この歌は、『尋常小学唱歌 第六学年用』に載っていました。尋常小学唱歌がまとめられたのは、明治44年から大正3年にかけて。学年ごとに20曲ずつ選ばれ、6学年分で全120曲あるそうです。そのなかには、いまも歌い継がれている歌がたくさんあります。
「春が来た」「春の小川」「鯉のぼり」「茶摘」「我は海の子」「村まつり」「紅葉(もみじ)」「故郷」「冬景色」……。いずれも四季おりおりの美しさや暮らしのなかの情景を歌ったもの。いわば日本の原風景が描かれている歌、と言ってもいいかもしれません。
私が小学唱歌を歌い続けてきたのは、失ってはいけない日本の姿を、みなさんの心にお届けしたいと思っているからです。また小学唱歌以外にも、「早春賦」「里の秋」といった童謡も好きで、ふとしたときに口ずさみます。
日本の心の故郷ともいうべきこうした歌は、これからも歌い継いでいってほしい。子どもや若い人にも、ぜひ伝えていきたいと思います。
●今月の書「おぼろ月夜」