歌手、俳優の美輪明宏さんがみなさんの心を照らす、とっておきのメッセージと書をお贈りする『婦人公論』に好評連載中「美輪明宏のごきげんレッスン」。
5月号の書は「はんなり」です。
5月号の書は「はんなり」です。
「はんなりした人」とは
京都の人は、「はんなり」という言葉をよく使います。「はんなりとしたお人やなぁ」「はんなりとしたお味」などなど。響きも美しいし、素敵な言葉だと思いませんか?
「はんなり」はもともと、色合いを形容する言葉です。「はんなりとした色」というと、パステルカラーのような淡い色のことだと思っている方も多いようですが、実は華やかで明るく、なおかつ気品があるのが「はんなり」。「花あり」が語源という説もあるようです。それがやがて、人の佇まいなどに対しても使われるようになりました。
私が考える「はんなりした人」とは、しっとりとした色気がありながら、決してむき出しにせず、それでも自ずと滲み出てくる人。なにより、花が咲いたような明るさがあるのです。