いくつもの答えがある「問い」

ですからここで私が言う「問い」は、一つの「問い」に対していくつもの答えがある、もしくは「正解がない」という「問い」です。

例えば、お子さんが日常の中で「なぜ、お手伝いをしなければならないの?」という疑問を抱いたとしましょう。

『話す力で未来をつくる ~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』(著:竹内明日香/WAVE出版)

保護者の方としてはドキリとする「問い」かもしれませんが、実はこの「問い」一つからも、

「保護者の負担を減らすために子どもも手伝うべき?」

「でも、子どもにとっては勉強の方が大切では?」

「家事の負担を減らすなら、家事ロボットを導入すれば解決するのでは?」

「我が家では、お母さんが家事をしていることが多いけど、それは不平等では?」

など、さまざまなことを考えるきっかけになり、ご家庭内での役割分担、労働の意味、ジェンダーの平等や無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)、思いやりを持つことの大切さなど多様な視点で思考を深めることができます。