農地を買う

森永 田舎に行くと、家と畑と山がセットで1000万円以下くらいで買えるんですよ。山なしだと、100坪ぐらいの家が500万円しない価格で売りに出ている。だから住宅ローンを組む必要さえないんですよ。

真面目に貯金すれば、500万ぐらいは貯められるでしょう。

経済評論家の三橋貴明さんの言う「農地を買え」という投資法(投資商品を買うより、農地を持っているほうが飢え死にしないので安全)も、それなりに正しいんじゃないかと思います。

うちは農地を持っておらず、借りています。一応買おうとしたんですが、本物の農地は農業委員会の壁があって買えなかったんです。

ただこの前、長崎在住の女性から、「やる気になれば買えるのよ」と教えてもらいましたけど。「農業委員会にダメって言われても、乗り込みなさい」と(笑)。その人はそうやって農地を買ったそうなんです。

「マイクロ農業」に広い畑はいらない。日当たりが良ければ30坪もあれば十分。だからわざわざ農地を買う必要もない。しかもうちの近所だと1500万円もあれば住宅地を買えるんです。

鈴木 三橋さんは、「鈴木さんのお話を聞いて、自分でもやろうと思った」とおっしゃってました。

森永 じゃあ、三橋さんに指南したのは鈴木先生だったんですね(笑)。

※本稿は、『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社)の一部を再編集したものです。


国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(著:鈴木宣弘・森永卓郎/講談社)

世界のどこかで有事、異常気象、天変地異が起きれば最初に飢えるのは日本、そして東京、大阪が壊滅する。

気骨の農業学者と経済学者が命を懸けてこの国の危機を訴える。