「どうしてやらないの?」「何度言ったらわかるの!」子どもに思わずこんなことを言っていませんか?実は、子どもの自己肯定感を下げているかもしれません。NHK『すくすく子育て』の元キャスターで、親子コミュニケーションアドバイザーとして活動している天野ひかりさんは「『子どもの視点で子どもを丸ごと認める言葉』が、自己肯定感を育て、自律する子どもに成長させる」と話します。親がラクになり、子どもの自己肯定感も育む会話のコツとは。そこで今回は、天野さんの著書『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』から、一部引用、再編集してお届けします。
子どもの「やりたくない!」の本当の気持ち
悪口を認めるわけにはいかない?
子どもが悪口を言い出したらどうしましょう? 「悪口を言ってもいいよ」と言うのは、もちろん認める言葉ではないし、解決にはなりませんよね。今回のポイントは、わからせようと指示するのではなく、子どもが自分で理解する力を認めて育てることです。
まずは、NGマンガを見てみましょう。
お母さんはわけがわからず戸惑っているうちに、「仲間はずれにする」「無視する」なんて言葉が飛び出すと、びっくりしてやめさせたいと思いますね。お母さんが言ってることは正論です。子どもにわかってほしい気持ちもよくわかります。
でも、言われたお子さんはどう感じるでしょうか。
「ママに話しても全然私の気持ちをわかってくれない、もうママには話さない。悪いのは、Aちゃんなのに……」
と悲しく感じて、子どもの考えはそこで停止してしまう恐れがあります。
反対に、お子さんが「ママの言うとおりだ、明日B ちゃんと話をしよう」と素直に受け止めて行動したとしたら、今度は、B ちゃんを怒らせてしまうかもしれません。すると自分でどう行動したらいいのか、わからなくなるかもしれませんね。