(写真提供:Photo AC)
「センス」と聞くと、生まれながらにもっているものという印象を受ける人がいるのではないでしょうか。しかし、「振る舞いや言葉など社会性をもった<センス>は、後天的に身につけるものばかり」と話すのが、約50ヵ国を旅した経験をもつ作家の有川真由美さん。今回は、有川さんの著書『センスいい人がしている80のこと』から、「センスがいい人」の考え方を一部ご紹介します。

「違うもの」はあっさり手放す

料理研究家の友人が自宅のキッチンで「このピーラー(皮むきの調理道具)のメーカーが好きで、使いやすいんだけど、持ち手のパステルピンクが許せないの。ほかの色ができたら即刻、入れ替えたい」とつぶやいたことがありました。

見ると、素敵なキッチンは、木目調の家具をベースに、雑貨類はシルバーと白で統一されていて、たしかにパステルピンクだけ違和感がある。

「“違うもの”は置きたくない」という美意識が、独自の世界観をつくっているのです。

彼女のインテリアは、日本の骨董家具やミッドセンチュリー家具、旅先で買ってきた雑貨などあれこれ混ざっているけれど、ちゃんと統一感があるのは、色のトーンや落ち着いた雰囲気でまとまっていてそれを邪魔するものがないからでしょう。

そんな人の家は、シンプル、雑多、派手、地味、きれい、カッコいいなどテイストが違っても、共通しているのは“統一感”。

違う色や素材、雰囲気を組み合わせるにしても、うまく調和がとれているのです。