飲食店の運転資金

俺はこの店に関して大きな借金をしたことはない。でも、持てる資産は次々に運転資金につぎ込んでいかなければいけなかった。

厨房機器は割賦で支払っていたけれど、払い終わった頃に壊れるもの。月々のメンテナンス料も高い。飲食店は固定費が予想以上にかかる。

『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る』(著:川田利明/宝島社文庫)

飲食店でいちばんいい働きをしてくれるのは券売機と食洗機だけど、券売機は500円硬貨が刷新されるたびに付属の機械を交換しなければいけない。

2024年の7月には新札が出るから券売機も現状では使えなくなる。この券売機だって軽自動車1台が買える値段だからね。

他のラーメン屋ではカウンターに置けるような小さな券売機が目立つようになったけれど、あれだって安いといっても、おそらく50万~60万円はするだろう。

以前は2カ月に一度は店でイベントを開いていた。だが、新型コロナの感染拡大が始まってからそれもできなくなった。

定員20人のイベントでもチケットが売れ残ったことはなかったんだけどね。

最近はトークイベントなどに呼んでもらえる機会が増えた。そのギャラで店の赤字を埋めている状態だ。