身の回りに糖質が溢れる現代社会
一方で、糖質は最も重要なエネルギー源となる栄養素です。
私たちは、糖質を摂ることで得たブドウ糖と、呼吸で取り込んだ酸素を反応させてATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー源をつくりだしています。
この作用は、タンパク質や脂質にはできないもので、生きるために糖質は不可欠です。
そのため、人類の体の設計には、「糖質を摂れる機会を見逃さないように」という要素も組み込まれています。
脳はチャンスさえあれば、「もっと糖質を摂りなさい」「ほら、そこに糖質があるじゃないか」と私たちに囁(ささや)きかけます。
そして、命令通りに糖質を摂ったら、「脳内麻薬とも言われるドーパミンが出て幸せな気分になる」というご褒美(ほうび)をくれます。
でも、この機能が理想的に働いていたのは、なかなか糖質が摂れない遠い祖先の時代まで。
身の回りに糖質が溢(あふ)れている現代社会では、大半の人は過剰摂取し、その結果、疲れを溜め込んでしまうのも当然と言えるのです。
※本稿は、『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)の一部を再編集したものです。
『疲れない体をつくる最高の食事術』(著:牧田善二/小学館)
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