上方対関東という対立の図式があったということ

以上を北条氏政の失敗だとするなら、そのようにも言えるでしょう。

ただ、後世の僕らにしてみれば「生き残るためには秀吉に頭を下げるしかないよ」と思いますが、みんながみんな、上方に視察した島津義弘ではありませんし、地元第一の力はすごく強いのですね。

伊達政宗も、それで苦労したのかもしれない。ほかの東北の大名たちも挨拶が遅れたというだけでたくさん秀吉に潰されています。

もともと上方対関東という対立の図式があり、北条については、特にそれを受け継ぐ関東の覇者という意識があった。

その意識を理解しないと、北条が秀吉に頭を下げることができなかった理由もわからないと思います。上方対関東という図式は今にも伝わって、それが巨人対阪神の、宿命のライバル関係に繋がっている(と僕は思います)。

※本稿は『「失敗」の日本史』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

《歴史探訪》本郷和人先生が同行! 平安貴族ゆかりの京都 2日間

開催決定!《歴史探訪》本郷和人先生が同行!平安貴族ゆかりの京都2日間

本連載で解説を務める本郷先生の解説の元で歴史の舞台を巡るツアー企画。好評につき、徳川編武田編に続く第3弾【平安貴族編】の開催が決定いたしました!

(写真提供:Photo AC)
<魅力あふれる旅のポイント>
●単に観光地を巡るツアーとは違い「歴史」の知識を深める、大人の為の学び旅です。
●歴史学者・東京大学史料編纂所教授 本郷和人先生が同行!現地を実際に見ながら、詳しい説明を聞き、質問し、歴史のダイナミズムを自ら体感することができます。
●今年の話題! 紫式部ら平安貴族ゆかりの京都を2日間かけて巡ります!また在原業平と菅原道真が活躍する『応天の門』(灰原薬/新潮社)を監修している本郷先生ならではの、ここだけの話も!?
<予定訪問地>
・華やかな藤原摂関時代をしのぶことのできる世界遺産「平等院」
・紫式部が「源氏物語」の着想を得たとされる「石山寺」
・平安遷都1100年を記念して創建!桓武天皇と孝明天皇を祀る「平安神宮」
・歴代天皇の居所「京都御所」
・菅原道真公をお祀りした神社の宗祀「北野天満宮」
<そのほか>
2日目昼食後には本郷先生との懇談会のお時間もご用意!
離れていても案内が聞こえるイヤホンガイド付きで「密」回避!
ご宿泊は京都市内の好立地なホテルへ!
*詳しくは読売旅行のサイトでご確認ください。