「隣同士だけど柵はある」ほどよい距離感が大事

リンゴ まあ「友達」じゃないからこそ、ていねいに伝え合ってきたかな。

モモコ リンゴが3つお姉さんであることが大きかったかもしれない。「ハイヒール・ルール」を作ろうと言い出したのもリンゴ。お金でもめたくないから、経費にならない分は、タクシー代もお茶代も領収書をもらってきっちり割り勘にしてます。

リンゴ ただし、財布を先に出して立て替えたら10円安くなる(笑)。ここを曖昧にすると、少しでも多く払ったほうはおごった気になるから。人間って、おごられたことは忘れるけどおごったことは忘れないもの。

モモコ お互いにネタを作ってきた時はお客さんの前で両方やってみて、ウケたほうを次から採用するのもルール。

リンゴ でもその時、「ね? 私の言うた通りでしょ」と洩らすと話がややこしくなる。そこは大人になって、内心「私のほうがウケたわ」と思ってても言わない。逆に「くっそー、私のほうはスベったわ」と思っても言わない。暗黙の了解でね。

モモコ どっちでも、ウケたら「ハイヒール」のためになるのだからね。

リンゴ 私生活でも、うちのダンナさんは一回り年上の会社員、モモコは数ヵ月年下の飲食店経営。うちは子どもがいなくて、モモコは3人。うちはマンション、モモコは一戸建て……って本当に全部違う。普通は影響し合うじゃないですか。それがない。(笑)

モモコ たまたまだけどね。

リンゴ それぐらい個性も、求めてるものも違う。だから、互いの家族にも必要以上に関わらない。「家族ぐるみでキャンプへ!」なんて絶対ない、ない。(笑)

モモコ 今年、休暇中にハワイでたまたま同じホテルに泊まったのに、まったく会わなかった。子どもらは「リンゴちゃんどこー?」と探してたけど、とめた。偶然会ったらそれはそれ。でも一緒には行動しない。

リンゴ 女同士は、そもそも仲がよくないと一緒に仕事はできない。でも仲よくなりすぎると、喧嘩したり嫉妬したりが出てくる。だからほどよい距離感が大事。隣同士だけど柵はある、みたいに。

モモコ そうそう。お互いそこは踏み込まないという感じ。