お互いが持っていないものをお互いが全部持っている

リンゴ よくこれだけ違うなというくらいだけど、妬んだりはないね。

モモコ 周りは子どものことをよく言います。「お前んとこの子、1人あげたらええねん」とか。でも、リンゴのとこは子どもはいないけど、夫婦仲がめっちゃいい!

リンゴ そっちはめっちゃ悪いもんね!(笑)

モモコ それ言う(笑)! うちの次男なんて「俺、リンゴちゃんの家の子に生まれたかった」って本気で言ってる。私抜きで相談や報告しているみたいだし。

リンゴ 人と比べるから妬みも生まれるんじゃないかな。比べるのは「相手に勝ちたい」という気持ちの表れやから。

モモコ 私も比べない。そもそも、自分はすごい幸せやといつも思ってるから比べる必要がない。どんな人に会っても「私もそこそこ幸せやわ」と思える。でもほかのタレントさんがええ仕事をもらってたら、マネージャーに「あんな仕事ちょうだい!」は言うけど。(笑)

リンゴ モモコにCMの仕事が入った時、マネージャーに「私もCM出たい!」と言ったら、「リンゴさんみたいにツッコミのきついタイプの芸人さんは難しいです」て。(笑)

モモコ 私も「リンゴみたいに討論番組に出たい」って言ったら、無理だって。(笑)

リンゴ 私にないものがモモコには全部ある。

モモコ お互いにね。

リンゴ だから、別に否定し合うことはないわけで。

モモコ 今でもお互いの話を聞いて、「へーそんなことがあるのか!」ということがある。

リンゴ 最近も、「子どもがいたら夏休みのごはんが本当に大変!」「子どもがいないと頂きものの生菓子が腐る!」って言い合ったもんね。

モモコ リンゴが「大学院で経済の勉強をしたい」と言い出した時も、心から応援したわ。「もっと賢くなって、私にわかりやすく教えて!」って。昔は何でもすぐ電話して聞いてたもんね。それこそラジオのつけ方から漢字の読み方まで。

リンゴ 電話で「何て読むの?」と聞かれても、その漢字自体がわからない。「漢字のつくりは?」と聞いたら「それは何?」って。(笑)

モモコ 「線が斜めに右から入ってて」とか文字を分解して。だからリンゴの脳は私が鍛えたようなもの!

リンゴ よくよく観察すると、うちのダンナさんて、モモコとツッコミどころ満載なところがそっくり。家で『タイタニック』のDVDを観ていたら、「船が氷山にぶつかったら起こして」って!

モモコ めっちゃわかる! 私も映画を観てる時、泣きながら「この人、ええ人なの?」とダンナに聞いたら、「わからんなら泣くな!」と怒られたわ。リンゴは根っからの「ツッコミ体質」だから、私らのボケっぷりがちょうどいいんじゃない?

リンゴ でも、踏み込むのはここまで、というのは意識してる。愚痴を自分が言うのはいいけど、「あんたのダンナって最悪」と返されたら腹が立つもの。「腹立つなあ」と受け止めるけど、悪口は言わない。

モモコ それはほかの人間関係でも同じ。私はママ友のダンナさんがどんな仕事をしているとか知らないし、聞かない。一個人としてつきあう。

リンゴ どんなに仲よくても、言わなくていいことはある。ダンナさんの収入なんてまさにそれ。「ここまでしゃべったんだから、私たち親友だよね」なんて、バカバカしいと思う。

モモコ そして私がリンゴの知識に助けてもらってるように、「違い」をプラスの方向に使いたいよね。

リンゴ 私は「明日が本番!」というネタ合わせの時に、寝られるモモコがうらやましいわ。

モモコ あれは目を閉じて考えてるの!

リンゴ 絶対嘘や!