結婚前のヘンリー王子はキャサリン妃のことが大好きで、「理想の姉ができた」と喜んだものだった。

しかし結婚後に出した暴露本『スペア』では、「兄は型にはまった女性と結婚したが、自分は心で選んだ」と、まるで夫妻が愛情のうすい結婚をしたかのような印象を与え、皇太子夫妻を傷つけた。こうしたストレスは、がん罹患に無関係とは思えない、とイギリスのメディアは報じている。

妃が動画でがんを公表した3月22日。この日付にも注目が集まった。2分あまりの動画が流れたのは金曜日だが、翌日から3人の子どもの学校がイースター休暇に入るタイミングだった。

妃は、子どもたちが学校で不必要な質問を受けることがないように考慮したと言われている。子どもたちのため、3週間の休暇前夜にがんの罹患を発表したのだ。

妃は、子どもに自分のがんを説明するのに気を使ったとも話した。子どもは、自分がなにかをしたから、あるいはしなかったから親が病気になったと捉えることがある。

3人の子どもの年齢(当時)は10歳、8歳、5歳。それぞれの成長に合わせて、「ママは大丈夫」と安心するまで話して聞かせた。

子どもの初期教育やメンタルヘルスに日頃から力を入れていた妃である。細心の注意を払ったのだろう。

その後イギリスでは「自分のがんを、親は子どもにどう伝えるか」がメディアでたびたび特集された。がん検診に足を運ぶ人も2倍近くに増えた。