様々な客

そうこうしているうちに若い夫婦が借りてきた軽トラックが到着し、廃屋探検も終えたお子さんをうちの息子が見張りつつのダイニングセット搬出。

一家は「高いものをありがとうございますー」と終始笑顔で去っていかれました。

『私の実家が売れません!』(著:高殿円/エクスナレッジ)

よし、ダイニングが広くなったぞ。次は山のようにある訳のわからないスチール棚だ。

納屋なんかに工具を収納するためにあるスチール棚がなぜか至る所にあり、底に詰まれた衣装プラケースの中から無限に沸いて出る衣類。謎のおもちゃ。いとこが子どものころに着ていたと思われる服まで見つかりました。

「これは逆に引き取り手があるかも?」と思った瞬間目の前を横切る黒い影。

あ、あなたは最初にやってきてすぐにワゴンとともに再来した古着屋のおっちゃん。そうでしたね。どうぞどうぞお持ち帰りください。

そして時間通りにやってきた隣町のご姉弟は、どうも引っ越してきたばかりらしく、家具がなにもないとのこと。

だめもとでラタン家具を勧めてみると、「これ、いま買うと高いんですよね」

みんな知ってた昭和レトロ意外と高額問題。すぐにラタン家具のシェルフ、長椅子。チェア二つ。ダイニングテーブルとサイドテーブルに予約が入りました。

ラタン家具だといざというときに搬出もしやすいし、奇跡的に状態もよかった。そう。なぜかこの家、湿気がないんです。