悔しさが私を強くした

結局のところ、どこにいたって私は人と自分を比べることをやめられないのだ。

それがコンプレックスをさらに膨らませると知っていても、比べることをやめられなかった。そしてまた落ち込む。私はずっとこのループにハマっていた。

冨永愛
(C)Yusuke Miyazaki

でもいま振り返ると、私にはコンプレックスが必要だったんだとわかる。

私はものすごく負けず嫌いだから、自分の弱点が悔しくて、なんとか努力で埋めようとしてきた。

「アジア人はセクシーじゃない」と言われたら、どうすればセクシーに見えるのか、ポージングや表情を磨いた。

「アジア人には黒しか似合わない」と言われたら自分に似合う鮮やかな色の服を探して身につけた。

死に物狂いで自分にしかない長所を探し、それを磨いた。悔しくて悔しくて、その悔しさが私を強くした。

その過程で、私には私にしかない美点があると気づくことができたんだと思う。