すべてを受け止め生をまっとうするネコたち
弥太郎よりも、はるかに厳しい環境で暮らす地域ネコさんたちは、おひとりさまを楽しむ余裕などないかもしれません。毎日、生き延びるのにただただ必死なのかもしれない。
でも、長年続けている見守り活動中に、朝日をたどっていくと、必ずネコさんがいます。
昇ったばかりの太陽の光を浴びて、ぬくぬくと目を細めているのです。とっても気持ちよさそうに。
あの子たちには、仲間はいても、家族はいません。母ネコから追い立てられるように巣立つ生後半年以降は、基本的にずっとひとりです。
だけど、不思議とみじめな感じはしない。
おひさまも、若葉の匂いも、月の光も、そぼ降る雨も、すべてひとりで受け止め、ありのままの自分であることを愛しながら生をまっとうする姿は、むしろなんだか力が抜けて楽しそう。
まさに生まれながらの「おひとりさまの天才」ではないでしょうか。
※本稿は、『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)の一部を再編集したものです。
『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』著:籔本 正啓(ネコ坊主)、写真:今田 仁義/双葉社
ほろりと泣けて、元気が出る。SNSのフォロワー60万人超の人気僧侶・ネコ坊主が、愛らしい地域ネコさんの写真と胸に沁み入る名言で、「おひとりさま」の心のモヤモヤをすっきり晴らします!!