書:籔本正啓 撮影:今田仁義(『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』より)
「心を楽にする言葉」と地域ネコの保護活動の写真を組み合わせたSNSの投稿が人気の僧侶、通称ネコ坊主さん。「おひとりさまの天才」であるネコさんたちと、そんな彼らを常にみているネコ坊主さんによる名言集『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』が刊行に。今回はそこから、一部抜粋・再編集してご紹介します。おひとりさまをご機嫌で生きるヒントが見つかるかもしれません――

ネコは人間を恐れない

昔、なんかの本で読んだことがあったんです。“ネコは人間を怖れはしても、特別な生き物だとは思っていない。自分よりおっきいネコだと思ってる”みたいなことが書いてあったでしょうか。

弥太郎と暮らしてみて、あれは当たってるんやないかと考えるに至りました。私のことを「ご主人さま」なんて尊敬の眼差しで見ているような気がしません。

そればかりか、お風呂上がりの濡れた頭をぺろぺろ舐(な)めたりするんですよ。“アカン、オマエちゃんと拭かな。しゃあない、舐めたろ”って。

ネコ舌はザラザラやし、お坊さんやから髪が短い私は、めっちゃ痛い(笑)。でも、逃げようとすると、“アカン! まだや”とガッと爪立ててロックオンされる。

これ、どうも兄弟ネコにする行為らしいんですよね。自分と同等か、ヘタしたら下。私のことは、出来の悪い弟ぐらいな認識なんでしょう。