2024年3月、紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した消費者に、健康被害が多数発生したことが報告されました。現在も調査が進められるなか、「サプリメントに対しては、過剰に反応せず、メディアリテラシーをもって冷静に対処することが求められる」と語るのは、スポーツサプリメントの企画・開発に関わった経歴を持つ、立教大学特別選任教授の杉浦克己教授です。今回は、杉浦教授の著書『一般教養としてのサプリメント学』から、健康に生きるためのライフスキルを一部ご紹介します。
エビデンスのある成分・食品
安全に使えるサプリメントはあるのでしょうか。
以下には正しく使えば健康を害することなく、減量・ダイエットに有効なもの・方法を紹介します。
(1)ミールリプレイスメント(置き換え食品)
商品名マイクロダイエットに代表される、食事を置き換えるタイプの食品があります。これは1食分が200キロカロリー弱であり、昼食あるいは夕食をこの商品で置き換えます。
例えば1日1800キロカロリーの食事をしている人が、1食あたり600キロカロリー食べているとして、これを200キロカロリー弱の食品に置き換えるならば、400キロカロリー強のマイナスになります。
そして、その商品には、タンパク質やビタミン・ミネラルなど、ダイエット中でも必要になる栄養素が含まれているので、健康を害することなくカロリー制限が可能になります。また、水に溶かすシェイク型と湯で溶かすスープ型があり、味も豊富に用意されています。
1食だけなら安全に行えると思いますが、早い結果を求めて2食を置き換えてしまうと、1日の摂取エネルギーが基礎代謝を下回る可能性もありますので、お勧めできません。
またメーカーによって価格もさまざまであり、1食がワンコイン以下のものから、レストランでランチを食べるのと同等のものまであります。
ただ、内容成分はプロテインパウダーのようなものであり、それほどの違いはないと考えます。