いざ、セカンドオピニオン

得体の知れない内出血は、引っ込んではまた顔を出すようになった。奴らが出現してくるたびにメンタルはやられていく。このことを経産婦の友人に相談すると、笑い飛ばされた。

「デコルテに内出血? あ〜、あれね。私さ〜、出産した時にさ、息みすぎて、呼吸が下手で顔とか顎に内出血できたことあるよ。だからさ、これからトイレで大きい方をするときは下半身に力を入れてすること! 変なところに力は入れない! それにもう、若くないんだし、血管も弱くなっているんじゃないの? 更年期の症状のひとつだよ」

一方、独身の友人は心配しすぎだと言う。いや、そういうことではない。他人の視線も気になるけれど、どうしても原因を知りたいのだ。それが分かれば安心できると、日々、ネット検索も続く。医療関係者には嫌われる行為だと知っているけれど、止められない。当時の私、少しノイローゼ気味だったように思う。

「何ともない」と皮膚科の医師は言ってくれたが、セカンドオピニオンとして他の皮膚科にも出かけた。毎月診察してもらっている医師を信用していないわけではないけれど、他の見解も必要だ。もし重篤な病気だった場合は、誤診だと誰かを責めることになってしまう。それならば自分の体には自分で責任を持ちたい。そんな思いで、新しい皮膚科へ出かけた。

「血液検査も問題ないですね。アレルギー反応でもなさそうですし……私も気にしないようにしておくのが一番だと思います。ただ内出血の出ているところが、ちょうど汗の溜まりやすいところではあるので、知らぬ間に掻いていることもあります。あと掻いてすぐに症状が出るわけではないこともありますから……」

……(再び)解せぬ。神出鬼没の直径わずか5ミリ足らずの内出血。こんなに悩まされるとは思いもよらなかった。

内出血の写真(写真提供◎小林久乃)
内出血はいつ出てくるか分からないので、診察用に撮影。このエッセイを書く今もポツンと出てきた〜(写真提供◎筆者)