「憲法の何条が好き?」希望の光のように感じて
ドラマ『虎に翼』の放送第1回などで、日本国憲法第14条を紹介していたとか。14条は、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」から始まります。
主人公は日本初の女性弁護士の一人になりましたが、妊娠したことで仕事を諦めざるをえなくなります。やがて戦争の時代となり、夫は戦病死。敗戦後、悲しみにくれた主人公は、闇市で買った焼き鳥が包まれていた新聞紙で日本国憲法が発布されるというニュースを知ります。
それがどれほど彼女に、大きな希望を与えたか。戦後生まれの人にはピンと来ないかもしれませんが、戦前生まれの私は、その気持ちがよくわかります。
私も15歳のみぎり、お昼休みにクラスメイトたちと、「あなたは憲法何条が好き?」などとよく話したものです。それほど日本国憲法は輝かしいものに思えたのです。
戦争はこりごりでしたので、第9条の戦争放棄も大賛成。でも、私が一番心惹かれたのは、第27条「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」でした。第14条と27条があるのだから、女性でも自分の能力を生かして、社会で活躍できるに違いない。そう思ったのです。
なにせ私たちは、女性に選挙権も被選挙権もない時代に生まれた世代だったのですから。「性別により差別されない」と謳った新憲法は、大きな希望となりました。