車を売却し、「後悔先に立たず」
東京に戻ってきたもうひとつの理由としては、運転免許を返納したことも大きかったと思います。
2023年の10月、免許更新のお知らせが来たとき、私は75歳。当初は更新するつもりだったのですが、調べてみたら、後期高齢者になると更新の手続きがものすごく面倒みたいで。認知機能検査や高齢者講習も受けなければならないと知り、すっかりおじけづいちゃったんです。
というのも、私は車の運転がとにかく下手なんですよ。どれくらいかというと、運転中に道路脇の側溝にタイヤがはまって、引き上げるためにクレーン車が派手に出動したほど。
もちろんこの騒動はまわりじゅうに広まり、その一件をゆいま~るのみんなも知っているので、私が運転する車には誰も乗りません(笑)。そんな自分がこの先も運転を続けたら、きっと事故を起こして周囲に迷惑をかけるに違いない。
それで、「更新するのはやめよう!」と発作的に決意して、免許を返納する前に車を売ってしまったのです。
ところが那須の暮らしは、車がないと本当に不便なんですね。バスもありますが、ルートや時間が決まっているので、自分の好きなようには動けない。
私が那須の暮らしで何よりも楽しみにしていたのは、自分でハンドルを握ってあちこちに出かけることでした。車を売り、免許も返納してその楽しみが失われてしまったら、毎日がなんだかつまらなくなっちゃって……。