給水と排水の両方が機能しないと水洗トイレは使えない

断水したら水洗トイレが使えないことは、多くの人が理解しています。

水洗トイレは目の前の大小便を水で流し去ってくれる便利なシステムなので、水が無ければ機能しません。

断水の原因は主に2つあります。

1つは給水管等の給水装置や配水施設が破損して水を届けられなくなること。もう1つは停電でポンプ等の設備が作動しなくなり水が届けられなくなることです。

『トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識』(著:加藤篤/学芸出版社)

ところが、給水に問題が無くても、水洗トイレは使えなくなることがあります。

それは、排水に支障がある場合です。理由は、流れていく先がなくなるからです。

排水に問題が生じる要因としては、排水管が外れる・閉塞する・逆こう配になる、下水道や下水処理場、浄化槽が機能していない、などが考えられます。

このような場合、無理に汚水を流すと、どこかからあふれることになります。

先にも触れたように、正確に言えば、給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります。

日頃、目にしているのは便器だけですが、その裏に壮大な水洗トイレシステムがあることを知っておいてください。