安心できないトイレは「我慢」を引き起こす

トイレを我慢する、つまりトイレに行きたくないと感じてしまう原因は人それぞれ異なります。

臭かったり、汚れていたりするトイレは、誰もが避けたくなるものです。特に女性や子どもであれば、暗がりにあるトイレは怖いでしょう。

寒い時期には、屋外のトイレは使いたくありません。風雨等の悪天候時も同様です。遠くにあって行くのが大変なトイレも使いづらいです。

また、男女共用しかない場合や、数が少なくてトイレ待ちの行列ができる場合も困ります。

車いす利用者や足腰が悪い人は、段差があるトイレや和式便器が使えません。和式便器は、慣れていない子どもにとっても困難です。

このようにトイレを不便もしくは不快と感じてしまうきっかけがひとつでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくて済むように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます。

<『トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識』より>

平成16年新潟県中越地震に関する住民アンケート調査(小千谷市・川口町編)でも、かなりの人が、トイレを理由に水分を控えていたことがわかります。