断水が起きると、水道の仮復旧までは1か月以上かかる

私たちは1日に複数回トイレに行きます。

水洗トイレを使うには、もちろん水が必要です。節水型の便器でも、1回あたりの洗浄で概ね6〜8リットル程度の水を使用します。仮に5回行くとしたら、合計で30〜40リットルの水を使うことになります。

水を便器に供給するためには、まず河川などから引いた水を処理する浄水場が機能していることが前提です。

また、浄水場からポンプ場を経由して各建物に水を運ぶ配水管が正常であることも必要です。

そして、これらの過程では電力も欠かせません。このため、大きな災害で停電すると断水が発生します。

阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1か月以上を要しました。

また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だったことが分かっています。

この間、トイレの洗浄に必要な水量を人力で供給するのは容易でありません。断水で洗浄水が確保できない場合に、トイレ機能を確保する方法の検討が必要です。