災害になる前に周知しておきたい携帯トイレの使い方
災害時のトイレの初動対応として携帯トイレを用いることが有効です。しかし、避難者の多くは携帯トイレを知りません。見たこともなければ使い方もわかりません。
間違った使い方をしてしまうと不衛生な状態になり、集団感染を引き起こすことにもつながります。
そこで、大事なのが使用方法の周知徹底です。災害が起きてからでは遅いので、平時の啓発が重要になります。
防災訓練や学校での授業、地域のイベントなど、あらゆる機会を活用して伝えることが必要です。動画を活用することも有効です。
災害が起きてしまった後の周知方法は、これまでの経験者の話を踏まえると主に2つの方法が考えられます。
1つ目は、イラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです。
2つ目は、トイレ前にスタッフを配置することです。
実際に、東日本大震災の避難所や西日本豪雨の際の病院などで実施されました。これら2つの方法を両方実施することになると思います。
災害時の負担を軽減するためにも平時の啓発を重視したいものです。
※本稿は、『トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識』(学芸出版社)の一部を再編集したものです。
『トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識』(著:加藤篤/学芸出版社)
災害とトイレについての基本知識から、家庭や職場でいますぐ実践したい備え、マンションなどの集合住宅や地域で協力したい対応のポイント、避難所での時間をなるべく快適に保つための工夫などについて、トイレ衛生の専門家がわかりやすく解説。
家庭や職場で備えたい方から、地域の防災リーダーや行政・企業の防災担当者まで、健康と生活を守るために1冊必携のハンドブックです。