便器の洗浄水量を把握する
水洗トイレで流す水の役割は大きく2つあります。
1つ目は、便器の汚れを落とす、もしくは便器に汚れをつかなくすることです。2つ目は、大小便とトイレットペーパーを下水道や浄化槽まで、詰まることなく搬送することです。
断水時、もし外部から水を確保できるのであれば、これらの役割を果たすために必要な量の水を運ばなければなりません。
その量は「1回あたりの洗浄水量×人数×トイレ使用回数」から求められます。
国内の家庭用水洗便器における大便使用時の洗浄水量は、最も節水性能の高いタイプで約4リットル、一般的な節水タイプで約6〜8リットル、古く節水性能が低いタイプで10リットル以上と言われています。
先の計算式に照らせば、とても人力で運べる量ではないことがわかります。
単に便器から排出するだけではなく、下水道や浄化槽まで運ぶのに十分な量が必要なので、水を節約しようとしてむやみに水量を減らすと、詰まり等の発生につながります。
なお、一般社団法人日本レストルーム工業会は、大小便とトイレットペーパーを便器から適切な場所まで搬送する性能(大便器汚物搬送性能)として、排水管平均搬送距離が10メートル以上であることを基準にしています。