野球もしてないのにドロドロ

車に乗せて帰る途中、いつもどうにかどこかでサラサラっとこのデッカい息子を「ゆすいで」帰れないものかと水場を探してしまうのは、わたしだけでしょうか。

いや。実は息子だけではない。

実はこの五十路の母でさえ、一日じゅう埃っぽいグラウンドで過ごしたあとの高レベルな土埃まみれ、酷い汚れっぷりったらないのだ。野球もしてないのにドロドロ、なんでやねん!?

先日学校のグラウンドを借りて試合をした際、まあまあな強風にあおられるグラウンドの土の波に容赦なく巻き込まれ、一日中ホコリまみれで試合を見守った。

トイレをお借りして手を洗った後、顔を上げて鏡に映る「見たことない埃だらけの目だけギョロギョロ真っ黒いオバサン」に「わ!!」と声に出して驚いてしまった。
首や目尻の深いシワが線になって浮いている残念な有様。同じ野球母たちと熱い甲子園の話、お弁当や今夜の献立アイデア、屈託のないバカっ話をしてゲラゲラ笑っていたのだが…
己の風貌が一番面白いことになっていたとは。
何があってもこんな様子の写真は出しません。
出しませんよっ!

ドロドロ息子のそばで、母だってこの薄汚れた全身をすすいで一刻も早くさっぱりしたいのは山々なのだ。

当然そんな汚ったない見てくれでは、帰りにコンビニに寄って飲み物を買うのも恥ずかしい。

ある程度ウェットシートで顔や首周りを拭いてサッパリはするものの、拭いたあとが家のなか掃除したってこんなに汚れてないというほど真っ…黒。
引く。
化粧は跡形もなく、眉毛も消えてしまって誰だかわからない風貌のわたしに、心配しなくても誰も気づくわけがない。