家族の話は喜劇に徹する
さて、七実を復活させた立役者は草太だった。七実が草太と遊園地に行ったエピソードを投稿サイト(ブログ)に書いたところ、大ウケとなり、エッセイストになる道が拓けた。
七実の高校時代を思い出す。当時の彼氏・小平旭(島村龍乃介)は草太の存在を知った途端、連絡して来なくなった。草太を疎んじたのである。七実は憤った。
「ダウン症の子がいる家にはいろいろあるけど、ウチの家族にとって弟は面倒のかかる存在ちゃう!むしろ私が家族の中で面倒な存在で、弟に助けられている!」(七実)
その通りになった。草太に助けられた。また、家族の話は喜劇と徹することも決めた。
「ウチの家族のことで笑ってくれる人がいたら最高」(七実)
後半戦も目が離せない。
七実はエッセイストとして執筆活動をしながら、バーのママとしても働いている。客として来た七実のテレビ局の担当プロデューサー・二階堂錠(古舘寛治)が別の店に寄るというのでエレベーターまで送りにいった際、七実の高校時代の同級生・数藤茉莉花(若柳琴子)と再会する。彼女は、東京で売れっ子ホステスになっていた。おまけに二階堂と交際中だという。2人は親子ほど年が離れているから、七実は仰天した。
再会時の茉莉花の自己紹介は難解だった。
「私の全ては、きょうの私でははかれへんから。今でもアップデート中や」
茉莉花は高校時代、七実と違って華やかなグループに属していた。一方で、近畿学院大に落ちている。茉莉花が七実に対抗意識を燃やしたら、厄介なことになるに違いない。