特別支援教育の専門家で、500名以上の子どもの支援に携わる前田智行氏は、「実は私自身幼いころから問題行動が目立つ子どもでした」と言います。当事者であり支援のプロフェッショナルだからこそわかる、「今本当にすべきこと」とは?「子育ての突破口が見えた!」と共感・感謝の声が多数の著書『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』から一部を抜粋して紹介します。
善し悪しの見通しを先に伝えておくと安心できる
ASDの子どもは、初めての場所や人が苦手なので、先に見通しを伝えておくことが重要です。さらに、どんな行動がより良いのかという基準を伝えておくと、より気持ちが安定します。
たとえば、「今日は、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家に行きます。移動の電車の中で、外を見たり、ゲームをしたりして静かに移動ができたら100点、
騒いじゃっても気づいて謝れたら50 点、大声で喋って周りの人に迷惑をかけたら0点です」というように、行動基準を先に伝えます。
そうすることで、「じゃあ、外を見ていたら100点か」「うっかり大声出したら『ごめんなさい』と謝ろう」というように、行動レベルで見通しが持てます。
また、基準通りに適切な行動ができたら、ほめて、その行動を強化・定着することも可能です。