そんななかで僕は、一切の就職活動をしないまま卒業の日を迎えました。というのも、エリートが歩む当たり前のレールの上を走るのではなく、人生を楽しむために、冒険がしたいと思ったからです。
ありがたいことに、福井での生活は本当に楽しいものでした。「ご飯食べよう」「家においで」と声をかけてくれる温かな人がたくさんいて。内陸のコロラド州出身なので、憧れだった海の見える暮らしができたのも嬉しかった。
福井の県民性なのか、みなさんアウトドア好きで、僕も誘われるままに冬はスキー、夏はキャンプと楽しみ、充実した日々を送っていたのです。
僕が日本を大好きになったのは、間違いなく福井の方々のおかげ。今でも、僕の仲良しの友達トップ20のうち、半数は福井の人です。
福井で数年を過ごしたのち上京し、知人の紹介でマックンこと吉田眞に出会って、あれよあれよという間に芸人の道を進むことになりました。願った通り、レールから外れた冒険を今でもできています。