佐久間由衣さんとの撮影現場
4月6日に放送された『らんまん』第4話では、幼い綾(幸吉が出入りする酒蔵「峰屋」の長女)が“女人禁制”の酒蔵に足を踏み入れてしまい、大人に厳しく責められるシーンがあった。そのとき、綾が落としていったかんざしを拾い上げ、懐に入れた少年が幸吉。最初の出会いから時が経ち、幸吉は蔵人として酒蔵を支える立場に。綾を演じる佐久間由衣さんとのシーンが多かったとのことで、2人の撮影を振り返る。
佐久間由衣さん演じる綾様は、周りには理解されない幸吉の思いをしっかり理解してくれる人です。そして「自分も酒を作ってみたい」と言って挑戦するんですよ。女性が酒造りをやるなんてありえない、という理不尽に立ち向かっていく姿は同じ俳優としてとてもかっこいいなと思いました。
特に、綾様が大勢に対して異議を唱えるシーンがあるのですが、そこが本当に印象的で。撮影が終わった後、マネージャーに思わず「佐久間さんめっちゃすごくない!?」って言ってしまうほど感動しました。普段お芝居しているときは、相手にそんなことを思っている余裕もありません。でも、今回は本当にすごかった。気合が入っているのはもちろんなのですが、この場の空気を完全に掌握している、よく言う“華がある”という感じだったんです。多分オンエアを見てくださったらすぐに「このシーンだ」って分かると思います。
この場面をきっかけに、さらに気が引き締まりましたね。撮影した日が11月4日で、実は僕の誕生日。だから余計に印象に残っています。現場の皆さんがお祝いしてくれました。その後に、撮影の段取りに入って。佐久間さんは、段取りまでは普通だったんですけど、本番ではしっかりスイッチが入っていて。すごく力を貰えました。
幸吉と綾様の関係性を表現することは、すごく難しかったので、監督や佐久間さんと何度も話し合いながら進めました。2人の間にお酒造りを置きながら、幸吉が綾様に抱く思いを視聴者にどう見せていくか。気を遣いながら絶妙なところを探したつもりですけど、あれで良かったのか…反省会はしないでください(笑)。放送が怖くもあり、楽しみでもありますね。
もともと佐久間さんとは映画『君は永遠にそいつらより若い』(2021年9月公開)で共演していましたが、特別仲が良いというわけではなくて。『君は永遠にそいつらより若い』では、佐久間さんが僕に寄り添い応援してくれる役でした。僕が淡々と台詞を言う役どころだったので、しっかりと目を見る機会もないくらい。『らんまん』で初めてちゃんと目を見てお芝居させていただきました(笑)。今のところ、自分のことより佐久間さんのことばかり話しているかもしれない。(笑)