夫婦の価値観の違いはやっかい

また、理想の食事像を持っているのは男性だけではありません。

知子さん(40代)は、手作りにこだわるために専業主婦を選んだとのこと。

「子どもには、できるだけ『手作り』の物を食べさせてあげたいです。わが家ではレトルトやファストフードはありえないです」

食べ物だけではありません。家具や雑貨などのDIYから、子どもの衣類まで、とにかく手作りするのが好きだと言います。

ただ夫は、あまり興味がなさそう。それよりは「アルバイトでもいいから働いてほしい」と言うようです。

でも知子さんはしれっと言います。「あ、べつに夫のためじゃないからいいんです。でも、子どもにはちゃんとしてあげたいんです」と。

どちらの場合も、強い理想の家庭像を持っています。子どもの頃から当たり前だった「炊きたてのご飯」が食卓に並ぶのが、なぜそんなに難しいことなのかが夫はよくわからない。子どもにどうしても手作りのご飯を食べさせてあげたい、と。

ただ、それが夫婦間でのモメごとになっているのも事実です。

モラハラやDVは論外ですが、それぞれが自分なりの理想像を持っていて、自分なりに家族のことを考えた結果、モメてしまう。だからこそ、夫婦の価値観の違いはやっかいなのです。