年金は払い損になるので、払うだけムダ

「年金は払った額以上はもらえない。払い損になるから、できれば年金保険料を払いたくない」という意見もあります。

とは言っても会社員の場合は、「年金は給与から天引きされているのでしかたがない」なんて考えていませんか? 本当に「払い損」なのでしょうか?

では、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人がすべて加入する国民年金で検証してみます。

国民年金の2024年の保険料は月額1万6980円(年額20万3760円)です。40年間納付すると、年金は満額を受け取れます。総支払額は815万400円です。

<『投資ゼロで老後資金をつくる』より>

受け取る金額は、月額6万8000円(年額81万6000円)です。10年間受け取ると816万円になります。65歳から10年間、つまり75歳まで受け取ればほぼ元が取れるわけです。20年で約2倍、30年で約3倍の金額を受け取れます。

したがって、払い損になる可能性はとても低い。むしろお得な制度です。

たしかに10年以内に亡くなれば、損だとは言えます。ただ、死後にお金は必要ありません。使わないのですから、損得も関係ないのです。

しかし、長生きしたときにお金がないと困ります。

年金は長生きのための保険なのです。