出産を終えて始まる儀式
さて、女房たちの本格的な出番は、出産を終えた後から始まります。
子供が産まれると、まず行われるのは「御ほぞのを」、つまり臍の緒を切ることです。この役はなんと源倫子、つまり赤子(敦成親王、のちの後一条天皇)の祖母がみずから行います。
次に「乳付け」、つまり最初のお乳を含ませる儀式があります。
それは母になった彰子…ではなく、橘三位という高級女官が行いました。彼女は一条天皇の乳母だった宮廷女官で、本名は橘徳子(つなこ)といい、天皇から派遣された特命の女官です。
そして乳母には大左衛門のおもとという女房が付きます。性格がいいので抜擢されたようで、この人も橘氏です。